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ハナブサオート


ハナブサオートには作業有効スペースとなる内寸が、約1800o×1800o×900oの大型サンドブラストがあります。
2016年の年末から作り始め2017年に完成し、その後、改良を加えながら稼働しています。

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ずっと以前から大型サンドブラストの必要性を感じてはいましたが、制作の直接のきっかけになったのは、2016年前半から2017年末の約2年間レストア全塗装でお預かりしていたR31スカイラインGTS-Rを手掛けているときでした。
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このとき、このクルマのバンパーフォースメントのサビを落とすのはブラストじゃないと厳しいかなと思い、その必要性に迫られ、大型サンドブラストを作り始めました。
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市販のブラストキャビネットでは、どんなに大型を謳った商品でもバンパーフォースメントが作業できるほどの大きさのものはありません。
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ハナブサオートの大型サンドブラストは大型バイクのフレームも作業できるほどの大きさがあります。
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大は小を兼ねるで、もちろん小物類も簡単にサビ落としができます。
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このような小物類ならば市販品のブラストキャビネットでも簡単に出来るのでは?と思われるかもしれませんが、 実はそう簡単にはいかないんです。
これには、ブラストキャビネット特有の「悪視界問題」というものが大きく関係しています。 ブラストそのものの研磨力の問題ではなく、視界がすぐに悪くなるというのが大問題なのです。

ブラストは、コンプレッサーで圧縮された空気と共にメディア(研磨剤)を吹き出し、それを対象物にぶつけることでサビないし塗装を落としますから、 キャビネット内はものすごい量の埃で覆われます。まず、これによって視界が悪くなります。 そして、それと同時に、対象物や内壁から跳ね返ったメディアがスクリーンに当たり、スクリーンを傷つけさらに視界が悪くなっていきます。 すぐに何も見えなくなり、小型のブラストキャビネットでは、おそらく一分も連続で作業できないんじゃないでしょうか。

スペースが狭ければ、埃もすぐに充満するし、メディアももろにスクリーンに当たってきます。

これが、スペースが広ければ、埃が充満するにも余裕があるし、メディアの跳ね返りも分散されます。
そういう意味でも、大型であるということが小物をやるときにも有効なのです。    
そして、ハナブサオートの大型サンドブラストは、独自設計の排気ユニットを備えていますから、広いスペース+十分な排気能力によって、 埃の充満で視界が悪くなることがありません。
メディアのスクリーンへの跳ね返り対策としては、ブロアファンの風をスクリーン前面に流すことでメディアを吹き飛ばし、 キズがつくのを和らげています。
つまり、良好な視界での長時間連続作業が可能なのです。

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長時間連続作業が可能であれば、難物アルミホイールもキレイにすることができます。
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アルミホイールは、その形状からメディアの跳ね返りがもろにスクリーンに向かってきます。作業性も悪いです。ゆえに難物なのです。

大型サンドブラストを作る前は、市販品のブラストキャビネットを使っていました。
その時に、難物アルミホール4本のブラスト処理という依頼を無謀にも受けてしまい大変な目にあいました。
そのときは朝から晩までやっても、まず一本を終わらせることができません。
問題はやはり悪視界です。スクリーンに保護フィルムを貼って作業するのですが、あっという間にスリガラス状になってしまい。 中断中断で、これは時間の無駄だ、もう無理だ、収入どうするの?この数日の先の見えない無収入状態どうするの?こんなことばっかりやってたら事業破綻だしそもそも生活できないよ?とまで思いました。
それでも受けてしまった以上、数日掛けてやりきりました。

このとき泣きながらでもやりきったことで、自作の大型サンドブラストの基本構造のアイデアが浮かびました。
そしてスカイラインをきっかけに作り始めます。 実際作り始めたら、そのときのアイデアだけでは不十分ではあったのですが、それでも、ホイール4本やりきったことで身をもって分かったことが大きく、それが結果的には完成につながっているので たまには辛い思いして泣きながらでもやってみるものだなぁと思いました。

大型サンドブラストを作ったことで、パーツの塗装剥離とサビ落としというものが楽になりましたが、 思ってもみなかった利点がひとつありました、それは、樹脂パーツの足付けでの使用というものです。
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そもそも足付けがしにくい樹脂パーツにあって、カウルトップやグリルなどには網目がよく採用されています。 ここにはペーパーが当てにくいため、どうしても足付けがあまくなりがちです。 足付けのあまさは塗装剥がれの原因になります。
これが、ブラストであれば、簡単に程よく素地を荒らすことができます。
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樹脂パーツ、特にPP(ポリプロピレン)などは塗装の密着がよくないので、プライマーを使って密着をよくしています。
プライマーに頼れば密着はよくなりますが、それでも最低でも素地を荒らす足付けはしておかなければなりません。 樹脂に対してはアシレックスなどの優れたペーパーがあるので、足付けそのものは問題なくできますが、 それでもデザインの都合で網目に奥行きがあったりすると、これは厄介です。

そのような形状のところにも、ブラストでなら素地を荒らすことができます。
この使い方は、泣きながらホイール4本作業していたときには、まったく思いもしなかったことでした。

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