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その2

給油口側、ここはシーラーを入れなおす都合から、古いものを落とすためにベベルワイヤーで塗膜もろとも研磨しました。
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外せるパーツに関しては、部品単位でまるまるブラストで落としてしまうのですが、ボディ本体はそれが出来ません。こういうところもブラスト掛けれると楽でいいんですけどね。
ただ、シーラー落とすのなんかはブラストは苦手なんですね。シーラー落としはカップワイヤーとかベベルワイヤーのほうが得意としてます。
だからここは、ついでに塗装もワイヤーで落としちゃうという感じですが、やっぱり奥まった凹部なんかはブラストのほうが楽です。
このあたり、ここから下がってテールからバックパネルもパネルの重なる密集地ゆえシーラーが多い箇所ですので、ベベルワイヤーで磨きました。
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バックパネルの凸凹プレス、ここはゴマのようなサビが多かったのでベベルとカップワイヤーで磨いたのですが、でっぱりの方はいいですが、くぼんでいるところでやはりブラストが掛けたくなります。
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CSなんかで放送してるレストア番組だと、車体ドンガラにして、まるっとブラストしちゃったりしてますけど、 なんというか、仕事として現実味は無いな、というのが鈑金屋目線での率直な感想ですよね。

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あの手の番組だと、まず、ガレージに埃まみれになっている、 パーツもあれこれ欠損しているような不動車を引き上げるところから始まるでしょう。 あの時点で、もうファンタジーですよ。
レストアといっても、商売として成立する現実的なのは、すでに乗っているクルマを今後も乗り続けるために リフレッシュする、というようなものだと思います。レストア番組は納屋みたいなガレージに埃まみれで動かず放置してある、 場合によっては、それもう草ヒロでは?というような状態のものをドンガラにして組みなおすんです。それはたしかに劇的なビフォーアフターではありますけどね。 やっぱり鈑金屋の立場で見ると、現実離れのファンタジー感は否めないです。
さて工程。
地金を出したままでは落ち着かないので、あまり時間をあけず、部位単位で、磨いて地金を出したらすぐに防錆処理からのサフェーサーでシールドしちゃいます。
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今、レストア対象になるクルマは年代的には平成一桁から10年代あたまというのがメインかな、という感じはありますね。
そうすると、先に触れたようにドンガラにしてブラストで総剥離というのは現実的ではないです。
ユーチューブでも見れます、ドンガラでのウェットブラストはパフォーマンス上は面白いですが、なかなか必要にならないですよね。
ハナブサオートがある県内近くにもウェットブラストのお店があって、いつかお世話になるときがあるかなと思ってたりもするんですが、 うーん、やっぱり、平成年代だと総剥離の必要性がなかなか無くて、むしろ残っている電着は残しつつが良いし、 でもって、サビの腐食ってパネル同士が重なったところが深刻なもんだから、ウェットブラストでドンガラ丸々というような、広い「横」へのアプローチじゃなくて、 パネル重なっているところの奥行きの方、つまり「縦」へのアプローチが重要なんですね。
そういう考え方なので、ハナブサオートでやっている、横は狭くも「縦」への深いアプローチができるピース工法+部品単位のブラストというのが、方向性としてはベストなんじゃないかなぁと思っているんですけどね。

まあ、いまだ道半ばという意識がありますから、もっといい方法があるかもしれませんけどね。

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